先史
船泊遺跡
特徴
船泊遺跡は、船泊湾と久種湖との間にある標高10m前後の砂丘上にある遺跡です。
昭和初頭に初めて学術的な発掘調査が行われて以降、昭和20年代~50年代にかけて小規模な調査や考古学的論文等が発表されてきました。
平成10年に礼文町教育委員会(発掘担当:西本豊弘先生)が行った調査では、住居跡や作業場跡、
お墓など多数の遺構と、土器、石器、骨角器、貝製品など大量の遺物が出土しました。
これら出土品の内、特に貴重な1,616点が平成25年に一括して国の重要文化財に指定されています。
墓坑群出土遺物
お墓から出土した様々な副葬品です。
土器や石器以外に、ビノスガイという二枚貝を加工した平玉や鳥の骨を加工した管玉、
ヒスイやカンラン岩など珍しい石で作られた垂れ飾りなどが出土しました。
作業場跡出土遺物
作業場跡から出土した様々な道具類です。作業場跡とは、住居跡より大きく、複数の炉跡をはじめ、
骨や貝、石器を作る際にでる石クズなどが大量に出土した場所のことです。
石器や貝製品・骨製品などの製作場所と考えられます。
包含層出土骨角器
保存状態の極めて良好な骨角器で、主に海獣類や骨や犬歯、鳥やクジラなどの骨で作られています。
銛頭や釣針などの狩猟道具をはじめ、針やヘラなどの日用品、管玉や腕輪などの装飾品など様々なものがあります。
包含層出土貝製品
保存状態の極めて良好な貝製品です。
お墓の副葬品でもあるビノスガイの平玉は、腕や腰、足に巻き付けた状態で出土しています。
他に、管玉や輪、垂れ飾り、工字形・花弁形製品など、主に装飾品として作られたものが多いのが特徴です。
包含層出土土器
住居跡やお墓以外の包含層(遺跡全体に堆積する遺物を含んだ層)から出土した土器です。
深鉢形が一番多いですが、壺形や浅鉢などもあります。
文様は、縄文の上に多数の横線が重ねられるのが特徴です。
北海道では主に南西部で出土する土器です。
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